849) 臨時給付金
政府が、低所得の年金受給者を対象に1人3万円の「臨時給付金」を配るという。国会審議中だが、野党民主党はばらまき政策だ、高齢者重視だ、選挙対策だと批判している。それほど昔のことではない。民主党が政権をとった時、その政策がばらまきだ、ばらまきだと、随分批判されたことを思い出す。
それだけではない。臨時給付金については与党自民党の中からさえも反対論が出ていると報道されている。
詳しいことは分からない。国の政策にあれこれ口出しする立場でもない。国民の代表である国会議員さんたちが、知恵を集めて決めてくれるのであれば、それでいいじゃないかと半ば白けた気分で眺めている。
しかし好き嫌いで言うとこういう政策は嫌いである。税金として国民から強制的に集めたお金を一部の人に『直接』配るなど、愚の骨頂だと思っている。
もっと有効な使い道があるはずだ。使い道がないならば、膨大に膨らんだ国の借金をいささかでも減らせばいいではないか。
しかも、給付金を3万円配ったからといって、その効果はほんの一時的なものだ。何を目的にしているか知らないが、それが何であれ、本質的な問題の解決からはほど遠い。
個人対象の給付金だけではない。企業を対象とした補助金やら、助成金やらというのも嫌いだ。世の中には夥しい種類の補助金や助成金と呼ばれるものがある。それらに精通し活用している企業もあるようだ。補助金を引っ張ってくるのを専門とする社会保険労務士さんがいるくらいだから。
当社でも利用できる補助金があるのかもしれない。しかしそれらを勉強して積極的に活用しようという気持ちにはあまりならない。そもそも何かの政策を実行するのに、えさ(補助金・助成金)を与えて誘導するという、そんな国の姿勢自体が嫌いである。そしてまた、これらは不正受給という悪の温床にもなりやすい。(2016.01.19)