890) ある校長の発言
今朝のYAHOOニュース。『 大阪市立中学校の男性校長が2月末の全校集会で「女性にとって最も大切なことは子供を2人以上産むこと」と発言するなどした問題で、市教委は校長を3月末で退職させる方針を固めた。 』
なにやら気になるニュースだった。その発言の全体を知りたいと思った。インターネットで探したら直ぐに出てきた。以下は大阪市立茨田北中学校の寺井寿男校長が、2月29日の全校集会で生徒たちに語った発言要旨(原文ママ)である。時期からして卒業式の時の挨拶かもしれない。
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全校揃った最後の集会になります。
今から日本の将来にとって、とても大事な話をします。特に女子の人は、まず顔を上げて良く聴いてください。女性にとって最も大切なことは、こどもを2人以上生むことです。これは仕事でキャリアを積むこと以上に価値があります。
なぜなら、こどもが生まれなくなると、日本の国がなくなってしまうからです。しかも、女性しか、こどもを産むことができません。男性には不可能なことです。
「女性が、こどもを2人以上産み、育て上げると、無料で国立大学の望む学部を能力に応じて入学し、卒業できる権利を与えたら良い」と言った人がいますが、私も賛成です。子育てのあと、大学で学び医師や弁護士、学校の先生、看護師などの専門職に就けば良いのです。子育てはそれほど価値のあることなのです。
もし、体の具合で、こどもに恵まれない人、結婚しない人も、親に恵まれないこどもを里親になって育てることはできます。
次に男子の人も特に良く聴いてください。子育ては、必ず夫婦で助け合いながらするものです。女性だけの仕事ではありません。
人として育ててもらった以上、何らかの形で子育てをすることが、親に対する恩返しです。
子育てをしたら、それで終わりではありません。その後、勉強をいつでも再開できるよう、中学生の間にしっかり勉強しておくことです。少子化を防ぐことは、日本の未来を左右します。
やっぱり結論は、「今しっかり勉強しなさい」ということになります。
以上です。
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職業上の男女均等が叫ばれ、女性の活用が重要視される時代になって、女性固有の役割である出産をどのように捉えるかは非常に微妙な問題になってきた。迂闊にものを言えない時代になってきたと感じる。特にメディアに捕まったら大変だ。
この校長は憂国の士である。日本の将来が心配でならないのだろう。彼が言いたいことは良く分かる。一つの立派な見識だとも思う。これが非公式な少人数の場で出た話なら問題にはならなかっただろう。全校生徒や教職員を前にした公式の場だったのが悪かった。
しかし、校長の座を失うほどの不都合な発言だとは私は思わない。
しかも・・・この発言がマスコミに出たことに疑念をもつ。誰かが事前に準備して待ち構えていた、その罠に見事に嵌ってしまったのではないか、という印象をもつのである。
言論はげに怖ろしい。何につけ口をつぐむ世の中になってはいけないと思う。(2016.03.25)