『スローガンとは企業や団体の理念や運動の目的を、簡潔に言い表した覚えやすい句や標語やモットーのこと』と辞書にでている。

集団のトップが短い言葉でスローガンを掲げることは、その集団の目指す方向や目標を構成員に示し、集団の力を結集するための有効な手段だろうと思う。

わが国のトップ、安倍総理はそのようなスローガンがお好きなようである。あるいは総理ではなくて、総理を支える取り巻き陣が好きなのかもしれないが・・・。

総理就任前あるいは就任当初には、総理自身の口から『美しい国、日本』という言葉をよく聞いた記憶が残っている。美しい国というのがどういうことを意味するのかが、はっきりと分からないまま、最近はあまり聞かなくなってしまった。

就任後は経済優先ということで、自身の名前を冠した『アベノミクス』という言葉をよく耳にするようになった。アベノミクスの具体策として『三本の矢』が掲げられた。三本の矢とは、機動的な「財政出動」と大胆な「金融緩和」と投資を喚起する「成長戦略」を意味するらしい。

そして三本の矢がうまくいったのか、どういう成果や結果を生んだのか、はっきりしないままに、最近は『新三本の矢』というスローガンが掲げられた。新三本の矢の具体策については、何回聞いてもすぐに忘れてしまう。

この間には『地方創生』というスローガンをよく聞いたし、その名称を付けた大臣も誕生したがこの頃ではだんだん聞かなくなった。

最近は『一億総活躍社会』である。最初に一億総活躍という言葉を聞いたとき、しらけた気分になったのをはっきり覚えている。全国民が総活躍する社会？あまりにも絵空事、言葉の遊びじゃないかという印象に囚われてしまって、いまだにその中身を知ろうともしていない。（2016.04.22）