2017-05-26
1056) 反乱
森友学園に引き続き加計学園と、学園問題が姦しい。
加計学園を巡る文部科学省の文書について、政府は「出所不明で信憑性も定かでない」と一蹴してきた。与党の寄り切り勝ちか、という雰囲気だった。
ところが文部科学省の前川前事務次官が、記者会見を開いてその文書が「本物」だと証言し、国会の証人喚問にも応じるという意向を示した。官僚社会の事務次官は会社でいえば社長である。その発言は重い。
「こりゃ政府も旗色が悪い、そろそろ事実を認めざるをえないだろう」と思ったが、どっこい問題はそんなに簡単ではないようだ。
ネット情報によると、そもそもこの文書をマスコミ各社に持ち込んで記事にしてくれと頼んで回った人物がおり、それが当の前川前次官だという。
さらにはこの文書を作成したのが前川氏本人ではないかという疑惑が浮かんでいるというに至っては、政治の世界は奇奇怪怪と思わざるをえない。性善説にたって物事を判断してきた私には理解できない世界である。
それにしてもつい数ヶ月前まで事務次官まで務めた人が、どういう訳で政府に弓を引く気持ちになったのだろうか。自らの品性を下げてまでそんな行動に出たのだろうか。よほど腹に据えかねる何かがあったのだろうか。
前川証言で野党各党は大喜び、前川氏の証人喚問を与党に要求する方針を固めたという。真実の追求のためというよりも、ここで時間稼ぎをして国会会期切れ、「テロ等準備罪」の廃案化を狙っているというのだから、政治の世界はやっぱり複雑だ。(2017.05.26)