1192) 米朝首脳会談
歴史上初めての米朝首脳会談が始まって数時間、今は白熱した議論が交わされている最中だろうか。外交のことは難しくて、私ごときど素人にはわからない。ピント外れでも仕方がない、この記念すべき日に何か書き残しておきたいと思った。
北朝鮮はこれまで長年に亘ってアメリカとの直接交渉を願いながら、米国から無視され、相手にされないままに時が過ぎた・・・というくらいの予備知識はあった。それが、これまでとはかなり異色で、予測不能の行動パターンを持つ、トランプ大統領が誕生して様子が一変した。当初は核戦争が始まるのではないかと心配したほどに悪口雑言、悪口の投げ合いから始まった。世界は緊迫した空気に包まれた。それなのに、どこでどうしたのか2人の変人同志、あれよあれよという間に融和ムードに変化した。そして一度は大統領が会談中止を正式発表しながらも、北朝鮮が泣きを入れてこぎつけた首脳会談だ。
金正恩は、金一族の支配体制を維持し、経済制裁を解除させるために、この機会を絶対に逃したくない。一方のトランプは、近づく中間選挙で勝ち、大統領の地位を盤石のものにするために、さらにはノーベル平和賞を手にするために、この会談を失敗にはしたくない。会談では大筋だけの合意に止め、具体的な中味はどうであれ、「会談は大成功」と発表されるだろう・・・というのが私なりに解釈した一般的な報道だ。核廃棄に向けた具体的な話し合いと作業は今後の課題になるのでは・・・という。
北朝鮮がそんなことで簡単に核兵器を手放すのだろうか。小さな国土、少ない人口、貧弱な経済力・・・それなのに大国アメリカと対等に渡り合い、交渉する・・・それが出来るのは核兵器を保有しているからこそのこと。それを手放したら、ただの貧乏な零細国家。
過去何回も世界中が北朝鮮から騙された歴史がある。その轍を踏まないようにと期待したい。日本からの期待が大きい拉致問題の解決は、トランプ頼みでは残念ながら前進出来ないのじゃないかと思う。(2018.06.12)