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てげてげブログ
2023-05-17

1262)歯磨きの習慣について思い出すこと

 小さいころ、歯を磨いていたという記憶がない。歯の磨き方を躾けられたという記憶もない。家のどこかに歯ブラシや歯磨き粉が置いてあったという記憶もない。かわりにうっすらと思い出すのは、時々大人たちが指先に粗塩を乗せて歯をゴシゴシこすっている姿である。多分、歯ブラシと歯磨きによる今様の歯磨きをしない家族だったのではないかと思う。

 それが片田舎という地域性の故か、80年前という時代の故か、あるいは貧乏していた我が家の特殊な事象だったのか、わからない。


 私がいつ頃から歯を磨き始めたのかは思い出せない。高校の寄宿舎に入ってからは、毎朝、洗面所で寮生が並んでやっていた記憶があるのでので磨いていたのは確実だ。まあ、それまでの間のどこかで躾けられたのだろう。

 しかし私はつい最近まで、朝しか歯を磨かなかった。毎食後に磨くのがいいといくら教えられてもその習慣は身につかなかった。朝昼晩、毎食後に歯磨きをするようになったのは、1年ほど前からである。


 長年治療してきた歯が、どうにもならなくなって抜歯した。このため奥歯がスカスカになって、モノを噛むのに差し支えるようになったので入れ歯を作ってもらった。そしたらモノを噛むことは出来るようになったものの、食後に食物の滓が挟まって気持ちが悪い。やむなく毎食後、入れ歯をはずして洗い、ついでに歯を磨くようになったのである。

 80年にわたってどうしても改まらなかった生活習慣が、一個の入れ歯のおかげで簡単に改善されたというお粗末の一席でございました。

                (2023/05/17)

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