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てげてげブログ
2023-07-11

1296)線状降水帯に完全制圧された一日

 激しい雨音がしている。雨がトタン屋根を叩いて、バンバンと激しい音をたてている。夢見心地でそれを聞いていた。ほどなく稲光が暗い部屋の中に飛び込んできた。ピカピカ、ピカピカと際限なく光っている。同時にドドーン、ドドーンとひっきりなしに雷鳴がとどろく。雷の場所は近いようだ。雨音も稲光も雷鳴も、夢かうつつか、私の脳味噌ははっきりと認識しないまま、また寝入っていた。


 5時半、寝不足のまま、目覚まし時計に起こされて起床した。いつもの時間になり、雨脚の弱まるのを待って家を出た。バスの中はいつもと変わりない。折尾駅に着いても、暫くは異変を感じなかった。ホームに上がり、いつもの電車を待った。ところがいっこうに電車が来ない。隣りのホームに別の電車が着いたが、停車したままで発車しない。そのうち構内放送が「雨が強いのでしばらく様子をみる」という趣旨の放送を始めた。


 ホームで30分ほども待っただろうか、脊柱管狭窄症の足腰には、立ったままの姿勢が耐えられなくなってきた。改札口に降りて、ベンチに座って待つことにした。どんな状況なのか、いつ運転再開するのか、頼りにできるのは、構内放送だけである。その放送の中に「雨が止んでも、安全点検のために時間がかかる」という趣旨の内容が混じり始めた。


 こりゃー、すぐには運行再開できないよ、という合図だなと解釈して出勤を断念した。駅に着いてからその決断までにどれくらいの時間が経過していただろうか。

 途中スーパーマーケットで購入した弁当で昼食を済ませた。それ以外には、何をする気も起らずに、怠惰な一日をおくることになってしまった。

 かくして昨日、私は線状降水帯に完全に制圧されて、残り少ない貴重な老後の一日を、意味もなく費消してしまったのであった。

               (2023/07/11)

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