朝8時半前後。私が事務所に到着する時間である。その時間には向かいのビル建設現場ではカンカン、ギーギー、ギューンと様々な音を発している。屋上に据え付けたクレーンは次々に建築資材を吊り上げている。建設現場の朝は早い。暗くなってからの建設作業は危険である。必然的に始業時間を早く、終業時間も早くということになるのだろうと納得がゆく。残業という勤務形態はほとんど存在しないのかもしれない。

　反対にデパートや商店はお客の便宜を考慮するので、やや遅い時間に稼働することになる。飲食店はもっと遅くなる。深夜まで開店しているお店も少なくはない。必然的にそこで働く労働者の勤務時間も後ろ倒しにならざるをえない。

　就業時間だけではない。休日も業種によって様々だ。土・日・祭日に休めるという業種は意外と少ないのかもしれない。

　サービス業、交通機関、福祉施設等々、一年中稼働している所は多いものだ。そこで働く人は交代勤務で対応するしかないだろう。

　当社のお客さんである医療機関や薬局にしても、土日休みというところはほとんどない。半ドンの組み合わせで対応しているところが多い。

　働き始めてほぼ60年間、その間ずっと9時～17時勤務、土・日・祭休みという働き方が続けられたのは、まことに有難いことだったのかもしれないと今更ながら思うのである。

　　　　　　　　　　　　　　　（2024/01/31）