2008-11-12
7)介護の日 2008.11.12
介護の日だったからでしょうか、晩酌を済ませて何気なくつけた昨日のテレビは、介護問題のドキュメンタリーでした。認知症の夫を介護してきた妻にも認知症の症状が出初めて、夫を虐待するようになってきたという、目を背けたくなるようなケースも紹介されていました。認知症患者を認知症患者が介護するこういう状態を認認介護というのだとか言ってました。
一緒に見ていた妻との会話----「なあんも分からんごとなったじいさんを苛めなさんなよ」「どっちが先かわからんよ」。そうか、そういうこともありうるんだなあ、と改めて認識したのでした。
一週間程前には、かっての大女優、南田洋子さんの認知症との闘いがテレビで公開されました。彼女には数年前から認知症の兆しが出てきたそうです。最初の兆候はドラマのせりふが覚えられなくなったことでした。そしてだんだん酷くなっていった、というもので、アルツハイマー型認知症とかいうそうです。今は夫の長門裕之さんが必死に介護に努める家庭の中の姿が、固定したカメラに淡々と写されました。機嫌の良いとき、悪いときの落差。突然別人のように表情を変える南田さん。怖かった。いつものように寝そべった姿勢では見られない番組でした。
振り返ってみて年々物忘れが激しくなる一方の自分。他人に目一杯の迷惑をかけながら、自らはその認識も出来ない認知症。いずれ自分にもその認知症が襲ってくるのではないか。怖いのです。子供たちは近くには住んでいません。妻一人では支えきれなくなるでしょう。その時-----。
将来、日本の介護制度はどうなっていくのでしょうか。確実に訪れる超高齢化社会。増えるばかりの要介護者。老老介護、認認介護の悲惨な姿。破綻する介護保険制度。苦しい経営を余儀なくされている介護施設。恵まれない労働条件を前に減少し続ける介護職者。フィリピンやインドネシアの人達に介護職を委ねるという話もあるようですが、それだけで問題は解決するのでしょうか。