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てげてげブログ
2009-02-04

34)シロとトラ(その1) 2009.2.4

 クリが逝ってからもうすぐ1ヶ月になろうとしている。寂しくはあるが、クリのいない生活にも慣れてきた。家の中で一番の変化は、クリが病臥している間は何かにつけ遠慮がちにしていたシロとトラが、途端に甘え始めたことだろうか。
 紹介が遅れたが、シロもトラも我が家の愛猫。シロは母親、トラがその息子という仲の良い親子である。シロは16歳(推定年齢)で全身真っ白な身体に青い目を持つ、行儀の良い美人猫。トラは14歳で母親とは似ても似つかぬ虎模様の身体をした、甘え上手なやんちゃ猫。どちらも亡くなったクリよりも高齢だが、ボケもせず元気一杯である。そういえば猫はボケないと聞いたことがある。本当かどうかは知らない。人間にしたら、もう80歳にも90歳にもなるだろうおじいちゃんとおばあちゃんだが、夜はいまだに仲良く抱き合って眠っている。
 数年前にある団体の会員随想集に『子育て』と題して載せた駄文があるので、少し長いが、そのまま転載してシロとトラの紹介に代えたい。

                  ----------  子育て -----------
 三人の子供達が家を出てから、夫婦して外出する機会が増えました。そんなある日、夜遅く帰宅した時のこと。電灯のスイッチを入れた途端、目に飛び込んできたのは、鮮やかな草色をした鳥の羽根が部屋中に散乱している光景でした。床の間の近辺が一番ひどく、まるで緑の絨毯をしいたようですし、置物が少しずれています。案の定、花瓶の陰にはめじろの死骸が横たわっていました。
 うぐいす、すずめのこともありました。ある時は多分渡り鳥でしょう、見たこともない綺麗な紫色をした大柄な鳥が、息絶え絶えの状態で転がっていたこともありました。
 鳥だけではありません。ねずみは勿論、とかげ、やもり、ばった、蝶や蛾、これまでいろんな死骸を弔ってきました。ご近所の池から金魚を捕らえてきた時には、夫婦して米搗きばった、お詫びの言葉もなく本当にまいりました。
 トラのしわざです。トラは8歳の雄猫、狩の名人です。狩に成功すると、獲物を口にくわえて、自慢の髭をひくひく、長い尾っぽを高々と掲げ、「えへん」と得意満面の顔で凱旋します。
 家人が在宅の時は、トラから獲物を譲ってもらっては、逃がしてやるのですが(不思議にさして傷ついていないものです)、不在の場合には、冒頭のような惨状を呈することになります。どんな獲物であっても食するわけではありません。おもちゃにして遊んで、そのうち動かなくなったら興味を失ってその場に捨て置くのです。
 そのトラも最初から狩の名人だったわけではありません。教育と訓練の賜物なのです。(以下次回にお読みください)

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