2009-06-11
68)南アフリカ 2009.6.11
南アフリカでのW杯開催が1年後に迫った。思い出すのは3年か4年前、南アフリカのツアーに参加した時のことである。
ガイドからは終始、治安が悪いから気をつけろ、という注意をくどいほどに受けた。南アフリカ、特に中心都市ヨハネスブルグは「世界最悪の犯罪都市」とも「世界の犯罪首都」とも呼ばれるほどの、凶悪犯罪の多発地区だという。
世界中から叩かれたアパルトヘイト政策がネルソン・マンデラ大統領の誕生とともに廃止されたのが15年前。これで黒人にも白人並みの豊かな生活が実現すると、経済的平等まで期待したものの、黒人の貧しい生活は以前とちっとも変わらない。そんな現実に直面して、一気に治安が悪化したのだとガイドが説明していたが-----。
ヨハネスブルグでは観光バスに乗った。しかし市街の中心部に着いても、一歩もバスから降ろして貰えなかったことを覚えている。バスの窓越しにあれが〇〇、あれが歴史的に有名な〇〇という説明をうけるのみ。
夕食は某商社の支店長宅に招待をうけた。プールもある豪華な邸宅だった。同じような邸宅が10数件集まっていて、その周りは高さ数メートルの見上げるようなコンクリート塀(とても攀じ登れない)で取り囲まれ、さらに塀の上には電流を通したワイヤーが張り巡らされていた。出入り口は1箇所。もちろん鉄製の門扉が閉まり、電動で開閉、その前では銃を構えた警備員が守っているという厳重さ。気をつけて見ていると街や市外にはそのような塀で囲まれた集落が散在していた。
立派な車に乗っていると襲われる可能性が非常に高いとも聞いた。ハイウェイでさえも堂々と強盗が出没するのだという。襲われたら何もしゃべらず、動かず、両手をあげるのがコツだという。抵抗するそぶりがチラとでも見えたら、一発ズドンであの世行きとガイドが言っていた。
その南アフリカでワールドカップサッカーが開催される。大勢のファンが押しかける。大きな事件がおきなければいいが----。自分の知り合いが応援に行くといったら「やめとけ」と言いたいと思う。もちろんヨハネスブルグが全てではない。最南端のケープタウンは比較的治安もよく、安心して過ごせたことを付記しておきたい。