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てげてげブログ
2010-06-15

178)鉄道員 2010.6.15

  博多から北九州に帰る快速電車でのこと。降りてからの便利さを考えて、先頭車両の一番前の席に座った。途端に「あれっ」と思った。ガラス越しに見える運転手の髪が長いのである。若い女性だったのだ。大きな動作で鉄道信号を確認しながら、見るからに一所懸命に運転している様子が見てとれた。横にはベテランらしいおっさんが、その一挙手一投足を黙って見つめていた。まだ見習い中だったのだろう。

  ああ、国鉄(今は国鉄とは言わないが)も変わったなあ、ついに女性運転手が誕生したのかと思ってしまった。私の頭に残っている国鉄は、切符の販売窓口から、改札から、何から何まで男性社会だった。こんな所には女性を使えばいいのに、と思えるような業務も殆ど全てを男性がやっていた記憶がある。国労や動労という恐ろしい労働組合のせいがあったのかもしれない。

  その後JRになり、女性職員の姿が増えていったが、電車の運転手は最後の聖域だったのではないだろうか。あの国鉄も変わったなあと、何やら清清しい気持ちで電車を降りたのだった。
  どんな職場にでも女性が進出している(逆に男性も、従来の女性職場に進出している)今の社会にあって、考えてみればこれは何の不思議でもない事象ではあるのだが、新鮮な驚きを覚えた50分間だった。

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