2010-10-12
211)運動会の家庭教師
その運動会にからんだ、新聞のこんな小さな記事が目を引きました。
『 運動会の季節、「子に挫折感を味わわせたくない」と、体育の家庭教師が人気 』
ザラザラした違和感をもったのは、私が古い世代だからでしょうか。
子供の頃、走るのが早くて運動会ではヒーローの子がいました。野球の上手い子がいました。運動万能の子がいました。絵が上手くて展覧会ではしょっちゅう入賞する子がいました。手先が器用で工作上手な子がいました。歌の上手い子や楽器を弾ける子は学芸会では花形でした。その学芸会ではいつも劇の主役を演じる子がいました。作文の上手い子は、よく先生の指示をうけて、みんなの前で感動的な自分の作文を朗読していました。国語や算数、勉強の出来る子がいました。
学校の外でも、泳ぎの名人、潜りの名人、木登り名人、魚釣り名人、とんぼつり名人、柿やみかん採り名人といろんな名人がいました。
「これはあいつに負けるけど、これは俺の方が上だ」、お互いにその分野、分野での相手の得意技を認め合った上で子供の世界がバランスよく成り立っていました。
走るのも、絵を描くのも、歌うのも、楽器を弾くのも、作文も勉強も、あれもこれも他に秀でる、あるいは人並み以上である必要があるのでしょうか。親が子供にそんなことを期待したら、その子の人生はとても辛いことになりそうな気がするのですが-----。 (2010.10.12)