2011-03-04
267)携帯メール
京都大学の入試問題が、試験時間中にネットに投稿されて、回答も寄せられたというニュースを見た時にはびっくりした。私の思考範疇を超えていた。そんなことがはたして出来るのかと思った。
マスコミでは当初、試験場外に協力者がいる複数犯ではないかとか、騒ぎを起こすこと自体が目的の愉快犯ではないか、といった見方もされていた。
まだ詳細は発表されていないものの、京都大学に入学したい一心からおこした、単純なカンニングの線が強いようだ。
古今東西、カンニングは存在した。掌にメモしたり、メモ紙を隠しもったり、普通のカンニングなら、バレても試験失格・不合格で済んだことだろう。携帯メールという最新兵器を使ったために、万人に知れることとなり、証拠も残った。入学試験制度の根幹を脅かすものとして、騒ぎが大きくなった。出来心では済まなくなった。
くだんの予備校生の将来はどうなるのだろうと心配している。
ひところ大騒ぎしていた大相撲の八百長問題は、最近あまり記事にならなくなった。しかしまだケリがついたという話は聞かない。下手したら3月場所に引き続き、5月場所も中止ということになるかもしれない。
大相撲に八百長はつきもの、それを暗黙に了解しながらファンは相撲を楽しんできた。しかし八百長とは言っても、お相撲さん個々人の、個人的な星の貸し借りとして、情の世界の問題としてみんな見て見ぬふりをしてきた。ガチンコ勝負に負けないほどの上手な八百長はそれを芸として許してきた。・・・・・これは私の大相撲観である。
ところが取り纏め役がいて八百長を組織的にやるようになった。連絡は携帯メールを駆使した。星の貸し借りのみならず、お金のやり取りまでからみ、大儲けする者まで現れた。情の世界の八百長とは質が違ってしまった。
そしてメールという証拠を警察に握られてしまった。救いようがない。
携帯メールに絡んだ最近の二つの事件。思うこと多々である。(2011.03.04)