2012-08-24
423) 汚染土の最終処分場
福島の原発事故で放射性物質に汚染された汚染土を捨てる最終処分場の候補地が、鹿児島県南大隅町の山林であることが判明した、というニュースが流れていた。政府内で密かに検討していたのが、どこからか漏れた・・・そんな印象だった。
南大隅町って、どこだったっけ、と初めはぴんとこなかった。平成の大合併で市町村の名前が変わってしまったからだ。調べてみたら昔の根占町と佐多町が合併して南大隅町になったことが分かった。それが分かった途端に、最終処分場が急に身近な存在になった。
根占町と佐多町は、今でも兄が住んでいる私の郷里、内之浦町(これも隣の高山町と合併して、今は肝属町と名前が変わった)とは山林続き、背中合わせの位置関係になる。大隅半島の東側(太平洋側)が内之浦、西側(錦江湾側)が根占であり、佐多である。
隣町ながら、根占も佐多も、小さい頃から一度も足を踏み入れたことのない、近くて遠い存在だった。真ん中にど~んと構えた山林が邪魔していたからだ。
内之浦も根占・佐多も、町の面積の大部分を占めるのは国有林野である。村落は海岸沿いにへばりつくように点在している。
私の小さい頃、内之浦町は日本一面積が広い「町」だと言われていた。何であれ一番というのは嬉しいものだ。子供心に誇らしげに思っていたのを覚えている。
話が逸れてしまった。そんな広大な国有林野の中に汚染土の最終処分場を作る計画らしい。国有林野なら土地買収の面倒もない。いいところに目をつけたと言えるかもしれない。
計画地とは山林続きの内之浦である。南大隅町だけでは足りなくて、内之浦にも影響があるかもしれない。
最終処分場は、どこかが引き受けなければならないとは思う。それが昨日、突然懐かしい郷里と結び付いてしまった。複雑な思いである。(2012.08.24)