2012-08-04
417) ベトナム旅日記ー9 (3日目夕刻:世界遺産の古都、フエ)
(古都フエ)
ベトナム最後の王朝、グエン朝(1802~1945)の都が置かれたのがフエである。現在も残る王朝の建造物群は世界遺産に登録されている。
日本に喩えるなら京都か。人口50万人。フォン川を挟んで新市街と旧市街に分かれる。新市街には日本のODAで建てられた大きな病院が目立った。
(ベトナム王朝の歴史とグエン朝)
約千年にわたり中国の支配を受けていたベトナムは939年に独立を果たす。数代の王朝の変遷を経て、「李朝」(1010から1225年、国名はダイベト、首都は現在のハノイ)により国として整備される。以後「陣朝」(1225から1400年)、「黎朝」(1428~1786)と王朝が続く。
黎朝の時代、1527年に内部の権力争いが起こり、以後南北2派に分かれて長年にわたり、抗争が続いた。この抗争にけりをつけ、統一を果たしたのがフランス軍を味方につけた阮(グエン)氏であった。グエン朝はフエを首都とし、同時に国名をダイベトからベトナムに変更する(1802年)
フランス軍事力の援助によって達成されたベトナム再統一は、その後ベトナムに対するフランスの影響力を強大なものにしていった。フランスはグエン朝に圧力をかけ続け、侵略を開始する。1885年にはベトナム全土がフランスの支配下に置かれる。グエン朝は存続していたが、すべての実権を奪われた傀儡にすぎなかった。
第二次世界大戦後、フランスと真っ向から対立して戦いを挑んだのが、ホー・チーミン率いるベトナム独立同盟であった。1945年、ベトナム民主共和国(首都ハノイ)としての独立を宣言、フランスとの戦争に突入する。グエン朝のラストエンペラー、バオダイは王朝を放棄してフランスへ亡命してしまう。グエン王朝はここで終焉を迎える。
(フエ観光)
〇名刹ティエンムー寺 : フエには300ヶ所の寺院がある。ティエンムー寺はその中で最も古く、400年前に建てられた。八角形七層の塔をもつ、フエのシンボル的寺院。寺院内には1963年にベトナム戦争に抗議して焼身自殺した住職が、その時乗っていた古い車が展示してあった。僧侶たちは精進料理、共同宿舎、結婚出来ない、などの禁欲的な生活を送っている。我々のガイドは、兄弟2人がこの寺で僧侶になっていると話していた。
〇フォン川クルーズ
約40分間のクルーズ。流れているのかいないのか分からない川、ゆったりとした時間が流れる。荷物を運ぶ船や観光船が行き交い、子供たちや牛が水浴びをしていた。
〇宮廷料理
夜はグエン朝時代の宮廷服を着て、宮廷料理を味わった。何を食べたか覚えてはいない。印象に残っているのは、野菜やその他の食材で作った、龍や孔雀などを象った見た目に綺麗な料理である。(2012.08.04)