2012-09-25
428) 外交音痴
こんなにもこじれた、そもそもの発端はAPEC会議の折、9月9日の胡錦濤主席と野田総理の15分間の立ち話にあるそうだ。胡錦濤主席は、わざわざ時間をとって、野田総理に直接、尖閣問題に関する中国の意思を伝えたという。
「中国は日本が島を購入することに断固反対する。日本は事態の重大さを十分に認識し、間違った決定を絶対にしてはならない。」と伝えたそうだ。
野田総理は中国の意思を直接聞きながら、それを無視して、翌々日の9月11日には「尖閣国有化」を閣議決定した。
胡錦濤はかんかんに怒った。戦うことを決意した。そしてすべての国家機関が動き出した・・・ということらしい。
日本でさえ総理大臣の座は極めて重いものがある。一党独裁国家、中国における主席という座は、日本における総理の座に比べても格段に重いはずだ。その主席がこけにされた事に対する中国政府の怒りは、私ごとき一市井人にも理解できる。
また土地は全て国のものである中国にとって、「国有化」という言葉のもつ意味が、日本におけるそれと違うであろうことも予想できる。
国有化発表後の中国側の激しい反応に対して、野田総理は「想定外だった」と語ったという。こんな外交音痴に国を任せておいてよいのだろうか。
『東京都が購入したら、船だまりや灯台をつくると言っている。中国を怒らせそうだ。国有化して現状のままにしておいた方が面倒なことが発生しないだろう。』・・・政府の国有化の目的はそんなところにあったのではないか。それならそれで、事前に中国側に十分に根回しして理解を得ておくべきだろう。
そもそも東京都が購入するというのだから、都に任せておけば逃げ道もあった筈だ。慌てて大金を積んで横取りして、結果はこのざまだからなんとも救いようがない。(2012.09.25)