2023-11-09
1370)毎朝毎夕、駅頭の風景
私が見た限りでは、そのパンフレットを貰う人はいない。それでも彼らはめげずに毎日同じ作業を続けている。
来る日も、来る日も、朝早くから夜遅くまでご苦労なことである。その姿を見ながら、彼ら自身の家庭は大丈夫なのだろうかと心配になる。昔勤めていた会社に、不幸な事例があったのを思い出すからである。
人のいい優しい管理職の男性だった。奥様が宗教団体に凝り、その活動にのめり込んで家庭が崩壊してしまった。やむなくその先輩は離婚し、周囲の人は深く同情した。以後その先輩の前では自然と話題を選ぶようになった。そして次第にぎくしゃくした職場になってしまった。
駅頭の彼らはあの活動を通じて、自分の幸せを掴もうとしているのだろうか、それとも道行く他人に幸せを分け与えようとしているのだろうか。幸せの捉え方は人夫々、他人の幸せに関与するつもりなら、余計なお世話じゃないかと思う。
(2023/11/09)