当社が入居している、このビルのことである。
デコボコのない単純な直方体の10階建て、
全面がこげ茶色のタイルで覆われ、
四角い窓が規則正しく並んだ、シックなビルである。
ビルの正面には小さいながらも、緑地帯を備えている。
落ち着いた、いいビルだ・・・と私は思っている。

最近、このビルの1階にブライダルショップが入居した。
博多でも見かけたことのある店の名前だから、
全国的なチェーン店なのかもしれない。

こげ茶色のタイル壁は、その上から真っ白な壁で覆い隠された。
四角い窓には、銀色にキラキラひかる装飾品が賑やかだ。
ビル全体の雰囲気と比べたら、
その部分だけが別世界のような華やかさだ。

商品の主体は、どうも指輪のようだ。
店員さんが数人いるようだが、手持ち無沙汰にしている。
店の中に、お客さんが入っているのをまだ見たことがない。
高い家賃に人件費に在庫費用、これで商売が成り立つのだろうか。

もっとも私がこの店を眺めるのは、
昼食を摂りに外に出た時だけだから、
もしかしたら別の時間帯には、例えば夜間には、
店の中はお客で溢れているのかもしれない。

同じビルの店子として、
ちょっと気になるブライダルショップである。
　　　　　　　　　　　　　　　（2011.10.05）