906) 人事内紛
今朝の新聞によると「セブン&アイ・ホールディングス」の社長人事がようやく決着したようだ。子会社「セブンーイレブン・ジャパン」の井阪社長が親会社ホールディングスの社長に昇格するということだ。鈴木会長と村田社長は揃って退任するという。
人事をめぐる内紛の真相は外からは窺い知れない事が多い。しかし想像を膨らませながら外野席で見物するのは、無責任で面白い。面白半分にニュースを追っていたが、一件落着だ。
そのカリスマぶりから「鈴木王国」とまで呼ばれていたセブン&アイ・ホールディングスの鈴木会長が、子会社セブンーイレブン・ジャパンの井阪社長を追放しようと画策した挙げ句の果てが、逆に井阪氏を親会社の社長に押し上げ、自らが辞めざるをえなくなったという皮肉な結果に至った。
それにしても分からないことはいろいろある。
鈴木氏が一時期は高く評価し、子会社の社長に抜擢した井阪氏、社長就任後も立派な経営成果を上げていた彼を、何故そこまで嫌うに至ったのか?その間に何かきっかけになる事件でもあったのだろうか?
幾分かの不満があったにしても、何から何まで100%自分の意に沿う人間など存在する筈がない、ということくらい、長年組織の中に身を置いていた人なら、当然分かっていると思うのだが?
本人への退任内示から始まって、外部取締役から「世間の常識が許さない」と指摘されながらも、役員指名委員会への提議、取締役会への提議と常軌を逸した執拗さ・・・何が鈴木氏にそうさせたのだろうか?
83歳という高齢が、正常な判断力を奪ったのだろうか?長年の絶対的な権力の座が彼を裸の王様に仕立て上げたのだろうか?
そしてもう一つ気になることがある。問題の取締役会で井阪氏の解任に賛成した取締役も揃って留任するというが、自分をクビにしようとした部下を社長はすんなり受け入れることが出来るのだろうか?そんな組織がはたしてうまく機能するのだろうか?などと余計なお世話ながら気になっている。(2016.04.20)