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てげてげブログ
2023-06-07

1277)悲しい病気

 妻がグループホームに入所して6月で5年目に入った。この機会に妻の病気につい簡単に触れておこうと思う。

 妻が大学病院で「アルツハイマー型認知症」という診断を受けたのは7年前のことだった。私が「物忘れがひどいのでは?」と感じ始めてからでは10年あまり経つだろう。その間、後で振り返るとあの時もおかしかった、この時もなんか変だった、という現象がいくつかあった。そんなこんなで嫌がる妻を無理やり大学病院の「もの忘れ外来」に連れて行ったのだった。

 診断を受けてからもしばらくはそれまで通りに暮らした。そのうちに徘徊が始まったのにはショックを受けた。その他にも家の中に誰かいると怖がったり、財布を盗まれたと騒いだり、私のことを知らないおじさんと認知して追い出そうとしたり、買い物に出て帰り道が分からなくなったり、車で自損事故を起こしたり、色々と日常生活に支障が出始めた。


 病院に頼ることにして、最初1ヶ月くらいは、一般の病院に入院させた。私はと言えば、その頃はまだ妻が元気に退院する日がくるような気がしていた。

 退院したいと妻が騒ぐためその病院では扱いかねて、精神科病院への転院を勧められた。精神科病院で3ヶ月、入院期間の制限があるものか、病院からグループホームを勧められた。何か所か見学の上今のグループホームに入所した。私自身にとっては妻の病気の深刻さを認識する期間だった。


 入所4年の間に認知機能がだんだん低下しているのは明らかだ。調子のいい時、悪い時、まだら模様ではあるものの、面会に訪れた私のことも認識できないようだ。会話もほとんどかみ合わない。

 認知症というのは進行するばかりで、逆戻りすることはない病気だという。現代医学でもお手上げだという。患者は何処に救いを、希望を求めればいいのだろうか。なんとも悲しい病気と言えないだろうか。

                 (2023/06/07)

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