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てげてげブログ
2024-03-25

1453)お粗末の一席

 一昨日、土曜日、お腹の痛みで目が覚めた。ドーンと重たい痛みが鳩尾の奥のあたりで感じられる。痛みは数秒間続いた後、数秒間遠のき、また数秒後に押し寄せてくる。今まで全く経験したことのない痛みである。耐えられないほどの痛みでもなく、そのまま我慢しようかとも思ったが、面倒がる気持ちを押さえつけて病院に行った。


 色々検査したが、原因となるような異常は見つからない。昨夜飲み会があり、刺身を食べたことから、サバやイカに寄生するアニサキスという虫のせいではないかと疑われたようだ。それなら取ってしまえば解決する。アニサキスでありますようにと、一縷の望みを持って胃カメラを飲むことにした。


 目の前のテレビ画面には胃カメラがとらえた内臓の様子が写っている。自分の体内、ぐねぐねした食道の中をカメラが進んでゆく。突然、その食道の壁に引っ掛かっているありうべからざる物体が写し出された。日頃見なれた丸薬のシート、薬を包んでいるプラスチックのあのシートである。シートの中には丸薬がそのまま入っているのが目視できる。シートが傷つけた食道の傷もはっきり写っている。


 異物を取り出すのに先生には苦労をかけた。胃カメラの先にペンチのように挟む器具を取り付けて数回試みたが、滑ってぬけおちてしまうようだ。最後にはワイヤ様の紐をシートに絡ませたまま食道の中を慎重に引き上げて施術は無事成功した。


 異物除去後、痛みは嘘みたいに消えたが、食道内の傷は残っている。主治医から指示された通り、1日の絶食の後はおかゆさんの食事で元気が出ない。

 施術の間、恥ずかしさで消え入りたかった。昨夜、酔った脳味噌は薬を服用することは忘れなかったらしい。夜は数錠を服用する。その中の1錠のシートを剝ぐことなくそのまま飲み込んだもののようである。もちろん覚えてはいない。

               (2024/03/25)

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